CV
前川 多仁
まえかわ かずひと
現代工芸家/芸術博士
専門領域と哲学
- 前川多仁は、日本の伝統的な染織技法と最先端のデジタル技術を融合させた「META CRAFTS(メタ・クラフツ)」を提唱・実践する、現代工芸家および研究者である。
- 彼の創作活動の核となるのは、岡本太郎の「芸術は呪術だ」という思想であり、明治以降、工芸(KOGEI)から剥奪された「神聖な機能」と「精神性」をデジタル時代に再獲得することにある。博士論文を通じて、「神仏習合」の現代的な再解釈としての「真・神仏習合」の概念を確立し、工芸が持つ「量産性」とデジタルが保証する「唯一性」の逆転パラドックスを乗り越える独自の美学を提示している。
経歴と教育
- 1974年兵庫県丹波篠山市生まれ
- 1997年大阪芸術大学 芸術学部工芸学科染織コース 卒業
- 2011年大阪芸術大学大学院 博士課程後期 修了、博士(芸術)の学位授与(修士課程飛び級にて入学)
- 2011年–2020年大阪芸術大学 通信教育部 非常勤講師
- 2014年–2019年武庫川女子大学 生活美学研究所 助手
主な個展
- 2024年「咆哮」白白庵(東京)
- 2020年「Shangri-La」白白庵(東京)
- 2018年「HEAVEN」ギャラリールンパルンパ(金沢)
- 2015年「覇王列伝」Art Space 金魚空間(台湾、台北)
- 2011年「前川多仁展 -KITSCH-」neutron tokyo(東京)
- 2010年「前川多仁展 -KITSCH-」neutron kyoto(京都)
- 2010年「集落丸山×KITSCH -精霊の谷『丸山』を赤色に染める」(兵庫)
主な国際展・受賞歴
- 2010年FROM LAUSANNE TO BEIJING - 6th INTERNATIONAL FIBER ART BIENNALE(中国、鄭州)優秀賞
- 2010年4th RIGA INTERNATIONAL TEXTILE AND FIBER ART TRIENNIAL(ラトビア、リーガ)
- 2008年FROM LAUSANNE TO BEIJING - 5th INTERNATIONAL FIBER ART BIENNALE(中国、北京)優秀賞
- 2007年3rd EUROPEAN TRIENNIAL TEXTILE AND FIBER ART(ラトビア、リーガ)特別賞(リーガ市賞)
- 2006年FROM LAUSANNE TO BEIJING - 4th INTERNATIONAL FIBER ART BIENNALE(中国、蘇州)優秀賞
- 2007年第25回 朝日現代クラフト展優秀賞
研究・著作
- 博士論文 『現在における「キッチュ」の再評価』(2011年3月)
- 研究ノート 『染織工芸におけるコンピュータテクノロジーの可能性ーデジタル技術にみる身体性をめぐってー』(武庫川女子大学 生活美学研究所 紀要第28号、2018年)
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学会発表
- 『神としてキッチュァ化するヒーロー』(国立国際美術館、2010年)
- 『キッチュの系譜-染織作品制作の視点から』(第26回民族芸術学会 江戸東京博物館、2010年)
- 『キッチュと工芸』(京都芸術センター、2009年)
パブリックコレクション
- BENETTON財団(BENETTON Collection)
- 兵庫県養父市
芸術的特徴
- 技法:伝統的なろうけつ染めに、デジタルパターン設計、最新の染色技術を組み合わせる。
- テーマ:「依代(Yorishiro)」としての布を媒体とし、現代の世俗的な現象(推し活、クラブカルチャー)に潜む「呪術性」を鮮烈な色彩と幾何学的な構成で表現する。
- デジタルで完璧に設計された形を、染料の「浸潤(にじみ)」というアナログなプロセスによって、予測不能な唯一性を持つ作品へと昇華させる。